トラック輸送の技術的特性 <自動車・輸送・流通>

トラックは、ほかの陸海空の輸送手段とともに、一国の貨物輸送体系を構成する。

トラック輸送の技術的特性の基本は、陸上輸送手段でありながら鉄道と異なり軌道を必要としないことである。

このためトラックは戸口から戸口への輸送が可能となり、鉄道のように線的な輸送でなく、面的な輸送サービスを供給することができる。

トラック輸送サービスはまた、鉄道に比べて到着日時が明確でかつ早いことが大きな特色となっており、この点が最近は産業界でいっそう重視されるようになってきた。

トラックの出現は、当初は前近代的な荷牛馬車にとってかわる技術革新であったが、それは引き続き鉄道に対する技術革新ともなっていった。

トラックは輸送サービスの特性を基礎に、車両価格の低下、道路整備の進展に伴い、それまでの鉄道による陸運貨物輸送の独占を掘り崩していった。

そして日本を含むほとんどの先進諸国において、いまでは鉄道をしのぐ主要な陸運貨物輸送手段としての地位を確立している。

日本でトラック輸送が営業として成立するようになるのは、1923年の関東大震災が契機になったといわれる。

しかし、第二次世界大戦前には日本の技術および国民所得水準の低さから自動車工業が確立しなかったことや、鉄道省による自動車交通抑圧政策、また戦時の石油燃料不足その他の理由によって、日本のトラック輸送の発展は戦後に持ち越された。

そして1950年から55年ごろまでの間に荷牛馬車をほぼ完全に駆逐したのち、日本経済の高成長に伴う国内貨物量の急激な増大のなかで、トラックは陸運貨物の増加量の大部分を分担する形で、その輸送量を増大させていった。

そして1966年度には輸送量に占める比重を逆転させ、72年度ごろには短距離貨物だけでなく中距離および長距離でも、またほとんどの陸運貨物品目で鉄道を超える比重をもつようになった。

こうして1972年度段階には、日本の貨物輸送自動車化はほぼ完成したといえる。

そして1973年のオイル・ショック後の不況と低成長経済のもとで、トラック輸送も減少と停滞を続けたが、78年度には回復し、84年度には72年度水準を31%超えるまでに増大し、以後増加を続けている。
update:2010年02月24日